ブラックロックは、投資の利便性を高めて低コストにすることにより、より多くの人々に利用してもらえるよう、オンライン証券やオンライン銀行といったデジタル・プラットフォームと新たな関係を構築しています。小さな問題でも、妨げとなる障壁を1つずつ除いていくことで、結果的に大きな行動の変化をもたらすと考えているためです。
ドイツでは貯蓄から投資への移行が急激に加速しています。それを支えているのはデジタル・プラットフォームの成長、ETF投資プログラムを通じた投資の自動化による利便性の向上、 ETFの選択肢の豊富さです。ドイツでETF投資プログラムを通じて1カ月当たり約150ユーロの投資を行う投資家は5年前は数十万人でしたが、現在では700万人を超えています※19。こうした利用しやすい投資商品がさらに普及すると、欧州全域でETF投資プログラムを利用する投資家は今後5年間に3,000万人を超えると予想されます※20。
英国では大手デジタル銀行であるMonzoと共同で、同社のアプリを使ってブラックロックの商品を最低投資額わずか1ポンドから購入できるサービスを提供しています。「すべての人にとって投資を身近な存在にする」というMonzoのミッションはブラックロックのミッションと合致しています。正式な発売前から申し込み者数は数十万に上ったことからも、投資家からの関心の高さがうかがえます※21。
こうした変化は全世界で起きています。日本政府は、貯蓄の割合が高い日本の投資比率を引き上げるため、2024年に少額投資非課税制度(NISA)を拡大しました。世界で最も幅広い投資文化を持つ国の1つである米国でも、アクセスを高めるために行うべきことはあります※22。特に、小規模企業の従業員や自営業者で、職場の退職金積立制度が利用できない5,700万人の米国人の対策が必要とされています※23。そうした人々の多くは簡単に退職金を積み立てる方法を求めています。そこでブラックロックは、ターゲットデートETFを上場しました。これは 数十年に及ぶブラックロックのターゲットデート戦略の経験とETFが持つ利便性を組み合わせた商品です。証券口座を開設している人は誰でも、長年かけて有効性が実証されたこのアプローチを利用できます。取引手数料無料のデジタル・プラットフォームであれば、投資額は単純にETFの基準価額のみです(訳注2) 。
より多くの市場へアクセスするため、アクティブ運用のETFの商品ラインも拡大しています。2023年には、投資が比較的困難な債券市場でインカム増大を目指し、iシェアーズETF初のアクティブ型の債券ETFを上場しました。この債券ETFの運用者は、ブラックロックのグローバル債券のCIOで、「モーニングスター2023 アウトスタンディング・ポートフォリオ・マネジャー」を受賞したリック・リーダーです※24。
ブラックロックにとって市場アクセスの民主化は、お客様の声を投資先企業に届けることも意味します。2022年初めに、グローバルな年金基金のお客様向けに議決権代理行使を可能にする制度、ブラックロック・ボーティング・チョイスを他に先駆けて開発しました。現在、当プログラムは業界最大の資産規模を誇り、対象となる株式インデックス資産は2.3兆米ドルに上ります※25。2024年2月から、米国の個人投資家を対象にパイロット版を拡大する予定です(訳注3)。iシェアーズ・コアS&P 500 ETF (IVV)の300万人以上の株主口座を議決権行使プログラムの適用対象とし、議決権代理行使が可能な業界最大のファンドにする予定です※26。対象となる投資家は2024年の株主投票の時期に株主の議決権行使に参加することが可能になります。
訳注2 現在日本では提供されていません。
訳注3 当プログラムは、2024年2月13日より米国において施行されています。