
新たなレジーム、新たな投資機会
投資テーマ
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01
引き締め政策の維持
生産制約がある中でインフレの持続が見込まれ、中央銀行は長期にわたって金融引き締めを維持するでしょう。この新たな経済レジームは様々な投資機会を豊富にもたらすと考えます。
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02
新たな投資機会に注目
ボラティリティの高まりは、より広範な市場で個別銘柄のパフォーマンスにさらなるばらつきをもたらすようになりました。投資先や見通しについて、より精緻に対応することでリターンを生み出す機会が生まれると考えます。
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03
メガフォースを捉える
メガフォース(巨大かつ構造的な力)は、遠くない将来に生まれる投資機会を今作り出しています。重要なのはこうした力を加速するカタリストを特定し、それらがどのように相互に作用するかを見極めることだと考えます。
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新たなレジームの展開が進む
この6カ月で、私たちがマクロ経済と市場のボラティリティが高まる新たなレジームにいることが改めて確認されました。そしてこの新たなレジームは、一連の供給制約がもたらしたもので、先進国ではインフレ高進を加速することなくこれまで通りの生産を維持することは不可能であることを意味しています。メガフォースが将来の見通しを決定づけるとみていますが、その中で供給制約は主な特徴となるでしょう。
新たな投資機会
この経済環境における投資機会は、過去とは異なると考えています。そのため投資テーマを一新し、「引き締め政策の維持」からスタートすることにしました。
市場は、供給制約(特に米国における労働者不足)によって形成された世界では、中央銀行が早急に政策を緩和することはないとみています。
中央銀行はインフレ圧力に対抗するため、政策の引き締めを余儀なくされています。これは広範な資産クラスのリターンにとって好ましくない状況であり、「グレート・モデレーション」として知られる40年にわたる安定成長とインフレからの脱却を意味します。
例外的な株式市場
S&Pの時価総額 対 均等加重指数の相対パフォーマンス、1990~2023年

過去のパフォーマンスは現在または将来の成果を示唆する信頼できる指標ではなく、指数のリターンは手数料を考慮していません。指数に直接投資することはできません。出所:BlackRock Investment Institute、Refinitiv Datastreamのデータを使用、2023年6月。注記:グラフは構成銘柄の時価総額でパフォーマンスが決まるS&P500総合指数と各構成銘柄のパフォーマンスを均等に扱うS&P500均等加重指数の3カ月の価格指数変動率の違いを1990年以降のローリング・ベースで表したものです。
新たな投資機会に注目-これが第2のテーマです。ボラティリティの高まりは、市場全体と比較した場合に、個別証券のパフォーマンスのばらつきをもたらしています。
例えば、株式は今年、テクロノジー株を中心に反発しました。しかし、この上昇の裏には、多くの銘柄が株価指数全体に遅れをとっているという、急激なパフォーマンスの乖離があるようです。チャートをご覧ください。このような状況の恩恵を得るには、より精緻に、6~12ヶ月の短期的見通しよりも短い期間で機会を見極める必要があると考えます。ブラックロックの慎重なマクロ見通しが織り込まれていると思われる分野に着目し、より精緻な投資見通しを立てています。
これが第3のテーマ「メガフォースを捉える」につながります。メガフォースとは、経済やセクターを問わず、収益性に大きな変化をもたらすとブラックロックが考えている構造的な変化のことです。メガフォースはそれほど遠い未来の話ではなく、今まさに進行している話です。重要なのは、メガフォースを加速させる触媒と、その恩恵を受けそうな企業を特定し、また、これらすべて織り込まれているかを見極めることです。
主要な国の経済成長鈍化とインフレの持続を背景に、新興国市場(EM)とインカムを選好しています。先進国(DM)では日本株を選好します。EMの現地通貨建て債券ではブラジルとメキシコを選好します。米国の物価連動債のオーバーウエイトを維持し、ユーロ圏との比較では米国を選好します。
プレイブックの進化
新たなレジームにおいて広範で静的な投資ソリューションでは過去と同様の結果は得られないでしょう。代わりに必要とされるのが緻密さと機敏さであるとブラックロックは考えます。ブラックロックでは投資のプレイブック(指針)を拡充し、何が価格に織り込まれているのかに基づいて対象となり得る様々な投資機会を拡大していきます。
広範な資産配分
まずは、6~12カ月の短期間のブラックロックのマクロ見通しと、何が価格に織り込まれているかの評価に基づいて資産配分を決定します。その後、各資産クラスの広範なエクスポージャー全体にブラックロックのポートフォリオ見通しを取り入れます。
より一層緻密に
ブラックロックが予想するマクロ見通しがどの程度価格に織り込まれているかに基づき、より緻密なアプローチをとります。これは地域、セクター、業界の選好および投資機会を絞る際の役に立ち、ベンチマークを上回るリターンをあげることを目指します。
主要国の成長鈍化とインフレの持続が、新興国市場(EMs)とインカムへの選好を支えています。先進国(DM)株では日本株を選好します。EMの現地通貨建て債券ではブラジルとメキシコを選好します。米国のインフレ連動債のオーバーウエイトを維持し、ユーロ圏との比較では米国を選好します。
メガフォースを捉える
マクロ環境を超越する、強力かつ構造的な力であるメガフォースの影響を考慮します。これはそれほど先のことではありません。ブラックロックは、メガフォースの多くはすでにリターンや企業収益を生み出し始めており、その影響は資産クラスを超えてもたらされると考えます。
先進国市場でセクターを横断するAI関連株式のオーバーウェイトを開始しました。
重要事項
上記の記載内容は、ブラックロック・グループ(以下、ブラックロック)が作成した英語版資料を、ブラックロック・ジャパン株式会社(以下、弊社)が翻訳・編集したものです。また当資料でご紹介する各資産の見通し(米ドル建て)は、米国人投資家など主に米ドル建てで投資を行う投資家のための見通しとしてブラックロック・グループが作成したものであり、本邦投資家など日本円建てで投資を行う投資家の皆様を対象とした見通しではありません。 記載内容は、米ドル建て投資家を対象とした市場見通しの一例として、あくまでご参考情報としてご紹介することを目的とするものであり、特定の金融商品取引の勧誘を目的とするものではなく、また本邦投資家の皆様の知識、経験、リスク許容度、財産の状況及び金融商品取引契約を締結する目的等を勘案したものではありません。記載内容はブラックロック及び弊社が信頼できると判断した資料・データ等により作成しましたが、その正確性および完全性について保証するものではありません。各種情報は過去のもの又は見通しであり、今後の運用成果を保証するものではなく、本情報を利用したことによって生じた損失等についてブラックロック及び弊社はその責任を負うものではありません。記載内容の市況や見通しは作成日現在のブラックロックの見解であり、今後の経済動向や市場環境の変化、あるいは金融取引手法の多様化に伴う変化に対応し予告なく変更される可能性があります。またブラックロックの見解、あるいはブラックロックが設定・運用するファンドにおける投資判断と必ずしも一致するものではありません。
MKTGM0924A/S-3856810
注記:上記の見通しは米ドルベースです。2023年6月時点。当資料は特定の時点における市場環境の評価を示すものであり、将来の出来事の予想または将来の成果の保証を意図したものではありません。読者は当資料中の情報に、特定のファンド、戦略あるいは証券に関するリサーチまたは投資アドバイスとして依拠すべきではありません。